そのひぐらし

旅だけがアイデンティティ

"どこでもきっぷ"で関西を好き勝手旅した話 序

底冷えのする朝だ。

ストールをガチガチに巻いて、誰もいない静かな街を急ぐ。

人気の少ないコンビニでミルクティーを買い、久しぶりに触れる自動券売機で米原までの切符を買う。上りホームでは白色照明がサラリーマンを煌々と照らしている。やがてやってきた4両編成の電車に乗りこみ、空いている車内に腰を下ろした。

 

前座

・最寄り駅→ 米原 6:55

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冬の日の出は遅い。大垣を越えてしばらくするとひたすら点々とした電灯が流れるだけだった車窓もじわじわと、東の空が白んできた。数人しか乗っていなかった車内も、関ヶ原を過ぎるとサラリーマンの格好をした人々が少しずつ増えてくる。滋賀県に入り、東海圏から関西圏の生活圏に入ったということだろう。ここから京阪神までは相当な距離がある。毎日これを繰り返すとか嫌になってしまいそうだ。

静かで暖かい車内でしばし微睡んでいたら、まもなく米原到着の放送で起こされた。いよいよスタートラインに立つ。

 

米原駅で一旦改札を出て、みどりの窓口で予約していた「どこでもきっぷ(関西2日間)」を受け取る。自動改札機でも通せる通常サイズにギチギチに文字やら図が詰まっている。エリアの指定はあるものの、そこそこ広範囲で自由席なら新幹線や特急に乗り放題、指定席も6回までは使用可能で¥10,000とかいうチートみたいな切符だ。エリアの指定があるとはいえ、2日間で回れる距離など限られている。そう考えれば実質無制限みたいなもんですね(?)

 

切符を買って7時すぎ、再び改札に向かった。7:15発の新快速に乗って西へ行かんとす。

 

前座2

米原6:59(+9分遅れ)→京都8:04(+7分遅れ)

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改札をくぐるとどうやら様子がおかしい。時計は7時を回っているのにまだ6:59発の新快速が発車していないではないか。放送を聞くとどうやら車両トラブルがあった模様。おいおい大丈夫かと思いつつ大幅に遅れている訳ではないようで、結局予定1本前の新快速(6:59発)に9分遅れで乗り込んだ。米原駅が始発のようでラッシュ時にも関わらず車内は数人の状態で西に向けて出発した。

駅に止まるたびに人が増えていく。ラッシュだもんね。座れていることに多少の優越感を覚えた私は気づけば再び眠りに落ちていた。

 

日も昇り、赤味が薄くなってきた頃、電車は京都駅に7分遅れで滑り込んだ。ここから"どこでもきっぷ"の強みである特急利用による旅が始まる……!

 

 

 

2021/12/17:投稿

2023/11/21:再投稿