そのひぐらし

旅だけがアイデンティティ

北海道上陸!ファースト・インプレッション 【2022北海道紀行Part4】

8年ぶりの北海道上陸を夢見て、名古屋から豪華客船太平洋フェリーの暑苦しいカプセルで遥々40時間。晴天に恵まれた2022年3月9日11時、無事に苫小牧フェリーターミナルへと接岸し、私はしばし北海道の人となることを許されたのでした。

 

前回北海道へ来たのは2014年3月。家族旅行でのことでした。その時は札幌→釧路→阿寒湖→釧路→札幌→小樽→長万部→函館とまわる合計5泊6日(ただし、北海道に居た時間は6日もない)で、家族旅行としてはこれまでにない規模で、両親の北海道への憧れが伝わってくる旅程でした。時は過ぎて2022年3月。自分のお金で旅ができるようになった私は一人旅に魅力を覚え、前年のどこでも切符を使った鳥取・和歌山一人旅の経験を経ていよいよ長大な旅程を提げてたった1人で冬の北海道にやってきてしまったのでした。もうこれを逃せば後にもチャンスはないと踏んだ私は恐らく人生で1番長い日数を北海道一人旅に注ぎ込みました。北海道への憧れは親から子へ受け継がれていたのでした。

 

何はともあれ、北海道は太平洋側の工業都市「苫小牧」から旅はスタートします。

 

 

苫小牧駅の南口でバスを降り立った私は、1時間ちょいある乗り継ぎの時間で昼飯を食べることにした。苫小牧市は人口が17万人と北海道の中では規模の大きい都市であり、私は特に下調べせずともご飯は食べれるだろう。そう高を括っていた...。

(バスで通り過ぎただけの感想だが、苫小牧は高層建築は多いものの全体的に街が古いように感じる。私の「北海道=過疎化が進行している」という先入観のせいかもしれないが。色褪せた建築も多く、通行人による賑わいもあまり感じなかった。)

 

 

なんでやねーん!

選ばれたのはロッテリアでした。

 

というのも、今回使用するJR北海道の列車が7日間乗り放題の「北海道フリーパス」の受け取りを苫小牧駅ですることにしていたのでまずはご飯の前に受け取ろうと券売機に並んでいたんですが...。指定席券売機が1台だけで、前の人がめちゃくちゃ時間かかってたので切符の受け取りに相当時間を食ってしまい(飯は食えてないのにね)、受け取った頃には目的の列車まで50分になってしまっていた。今からご当地ご飯を探して食べるのは少し時間がなぁ...と思った私は安心安全のメガドンキの安心安全のロッテリアという訳であります。長大な言い訳終わり。ちゃんとご飯は事前に調べておこうねという教訓を得られました。(今回に限ってはスケジュールが長大なので、たまにはこういうファストフードも挟まないとお財布が破綻しちゃうからねっていうフォローも入れておいてあげる)

 

 

ちなみにここのメガドンキにはまさかのバッセンが併設されていた。ここ人口17万人の中心駅直結のドンキやぞ。さすが北海道(?)

 

2階のストリートピアノではおばあちゃんがドナウ川の漣を弾いており、上陸1時間半で早くもしんみりしてしまった。

 

 

ささっと昼飯を済ませて駅改札へ戻ってきたのは12分前のこと。

電光掲示板に並ぶ札幌や室蘭という文字に北海道上陸を実感。遥か彼方だと思っていた札幌を身近に感じている。

 

 

 

ホームに降り立つと8年前も見た、あぁこれがJR北海道だと分かるレトロな紺色の駅名板が。

これからいっぱい見るんだろうなと思いつつ新鮮味を感じながら寒空の下、函館行きの特急を待つ。

 

特急北斗」12号 苫小牧→函館(247.5km)

記念すべき北海道内最初の移動は特急「北斗」号。名前は北斗七星から来ているのだというが、この名前の強さ(?)とダイナミックさでご飯食べれる。名前に恥じないディーゼルエンジンの力強い唸りを上げながら、北の大地を軽やかに走り回る。

 

 

小さな頃から南知多や三河湾へよく連れていってもらった私は海といえば温暖な地域のものというイメージが刷り込まれていた。それだけに海×雪の取り合わせは新鮮である。

苫小牧や室蘭では車窓いっぱいに映るコンビナート。市街地を出れば雪の積もった大地に枯れた木がたくさん刺さっている様子。この景色を見ると北海道を感じる。冷帯ならではかな。

 

護岸整備がされていない原始の河川や白化粧を施した雄大な山々を眺められるワイルドさ。北の大地は広大な平野が広がっているというイメージを抱えがちだが、実際の地形はかなり荒々しい。自然が牙を剥きまくっている。広大な原始が広がっているというイメージが正解か。

 

雪を物ともせず疾走する北斗号も自然にはお手上げ。海と崖に囲まれた細々としたスペースを粛々と進む。次第に列車は海辺を離れ、大きなカーブを描きながら力強く山を登っていく。大地あり山あり海あり峠あり。僅か3時間で北海道の洗礼を受けた気分になった。

 

うたた寝をしていると気づけば函館駅。8年ぶりの上陸だが随所に見覚えがある。この8年間で北海道新幹線が開業し、親に連れられてやってきた小さな私はたった1人でやってくるようになった。

 

 

時刻は既に16時をまわっており夕暮れが近い。急がねば!函館観光!!

 

 

 

 

2023/02/10:投稿

2023/12/07:再投稿