田口線の廃線跡を探索するにあたって、まずは拠点的な場所へ行こうと考えた。
豊田市街地から車を走らせ、国道301号経由で1時間ちょっと。豊橋鉄道田口線で走っていた「モハ14」が展示されている「道の駅 したら」にやってきた。
2021年5月にオープンしたばかりの当駅なので設備が綺麗なこと。嬉しい。設楽町奥三河郷土館と設楽町観光協会が併設されており、それなりの規模となっている。まさしく設楽町の(新)拠点と言えるのではないだろうか。なお、奥三河郷土館は2016年まで設楽町の中心部である田口に置かれていたが、道の駅したらの開業に合わせて移転してきた。
2023/05/18 10:56
透き通るような青空と心地よい風。空を舞う鯉のぼり。そろそろ春を忘れる素晴らしい気候の中やってきた。当駅についてまず目を引くのはこの古めかしい電車だろう。
豊橋鉄道田口線(旧:田口鉄道)「モハ14」である。1925年に豊川鉄道・鳳来寺鉄道(現:JR飯田線)向けに製造され、1951年頃に田口鉄道に譲渡。1956年の田口鉄道が豊橋鉄道へ移管された後も走り続け、1968年の全線廃線まで活躍し続けた。廃線後は設楽町へ譲渡されたが、田峰駅構内に9年間放置されていた。1977年から旧:奥三河郷土館に展示され、2020年には設楽町清崎へ移設、2021年の新:奥三河郷土館開業から当駅で静態保存されている。
ファースト・インプレッション。私は田口線についてここから徐々に知っていくこととなる。
「モハ14」の車内には入ることができ、レトロな雰囲気を残す車内では田口線の当時の写真や実際に使われていた様々なものが展示されている。
また、私はここで設楽森林鉄道(森林鉄道段戸山線)の存在を知ることになる。
森林鉄道の車輪やレール、枕木。田口線からさらに分岐する、田口線に比べればマイナーな森林鉄道に私は興味を持たざるを得なかった。いつか実際の遺構を見てみたいものだ。(国道420号線の北側斜面に一段高い路盤がずっと続いているなあとくる時に思っていたが、この鉄道の遺構だったのか)
すごくシンプルな運転台。メーター類は空気圧メーターのみで、速度計すら設置されていなかったよう。出しているスピードを計るには長年の経験と勘がものを言いそうだ。
道の駅にはもちろん綺麗なトイレから売店やレストラン、2階には「蓬莱泉」で知られる関谷醸造が運営する「ほうらいせん酒らぼ」(日本酒体験工房)がある。関谷醸造は設楽町に本社を置いている。売店では「道の駅したら」という名前のいかにもここら辺でしか売ってなさそうなお酒が!!いつか買いたい。
レストランではこの地域にまつわる様々なメニューが提供されている。その中でもまぜそば好きな私の目を引いたのがこれ↓
森の恵みまぜそば
鹿肉を贅沢に使ったまぜそばらしい。2ヶ月前の道東・道北1周旅でエゾシカの大和煮を食べて大敗北した身からするとここはリベンジしてみたいところ。
斜里町ウトロで買ってきたエゾシカ肉の大和煮。クセというか、ジビエ感が強くて私の好みには合わなかった。
鹿肉チャーシューと生ニラがたっぷりのったまぜそばは、臭みもなく大優勝!美味すぎ!また食べたいな。他のメニューも個性が溢れているのでまた訪れたいところ。