昨年の北海道旅は私にとって非常に刺激的なものだった。
また北海道に行きたい!もっとディープな北海道を知りたい!!
...
今年もやってきた。
名古屋の街は、厳冬期を越えて暖かくなってきたところだ。
そんな中、青いナップを背負った男が1人。彼はこれから未だ春見ぬ北の大地へ行くらしい。
望んだ旅立ちのはずなのに名古屋にすがりたく嫌悪を覚える...。毎回旅立ち前に起こりうる現象である。今回の旅程はさすがに荷が勝ちすぎているのではないか?そんな不安を覚えた。
(どうでもいいが、今回はTOEIC L&R受験後の旅行である。結構ハード)
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築地口
↓ (名古屋市営バス 幹築地1 約30分)
フェリーふ頭
名古屋の街にそぐわないスノーブーツに防寒具、巨大なリュック。
築地口駅のフェリーふ頭行きのバス停に並ぶと幾分か違和感が薄れた。きっと私と同じフェリーに乗るであろう格好と荷物の多さの人が数人いたからだ。
昨年はバスを逃し、あおなみ線野跡駅から徒歩でせかせかと歩いてフェリーふ頭へ向かったが、今年は市バスで楽々の移動である。
西日差し込む車内、遠くに巨大な太平洋フェリーの頭が見えた。思わず頬が緩んだ。1年ぶりだね。
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2023/03/05 17:32

やってきた。フェリーふ頭。
この昭和〜平成感がたまらないんだよねえ。
昨年より13分早く到着。余裕を持った行程だ。
17:40

カウンターで諸々の手続きを済ませ、苫小牧行きのチケットを手にいれる。
今回利用するのは太平洋フェリー「いしかり」のS寝台である。私は早割の利用(28日前までに予約。席数に限りあり)で¥7,800という破格の価格で渡道することができる。船旅最高!!
(2025年3月1日現在、同条件だと名古屋ー苫小牧のS寝台通常価格が¥16,500。そこから「春の早得21」の場合、S寝台であれば40%引きで¥9,900となり、少し値上がっている。それでも設備と移動距離を考えれば時間のある人にとっては安い。)
昨年は「きそ」のB寝台を利用した。若干グレードアップした。
sunshine755.hatenablog.jp

チケットを買い、乗り場に移動する際に昨年同様「仙台経由苫小牧行」が出迎えてくれた。
やはり、名古屋で東北や北海道の行き先を見るとワクワクするよね...!

エレベーターで2階に上がり、誰もいない待合室を通り抜けて...

コンニチハ。
巨大な船体、これが今から2日近くお世話になる豪華客船「いしかり」である。
2011年就航、太平洋フェリーでは2番目に新しい客船で、全長は192.5メートル、全幅は27.0メートルととてつもない大きさを誇る。

ターミナルデッキからは西日に照らされた名港トリトンが。名古屋にいるのに、もう旅行気分。
17:48

去年と同じく長い長いタラップを歩いて船内へ向かう。飛行機に搭乗するボーディングブリッジを歩いている気持ちだ。
いよいよ船内へ。昨年同様、みんなの考える"船長"の格好をしたおじさんが出迎えてくれる。
まずは先に「本日のお宿」へ行こうか。私がこれから40時間拠点とする「S寝台」は入り口すぐ近くだ。
太平洋フェリー"いしかり"は"きそ"と同様、上のクラスから
・ロイヤルスイート
・スイート
・セミスイート
・特等
・1等
・S寝台
・B寝台
・2等
という等級に分かれており、私が今回乗船するのは下から3番目ということになる。1等までが個室で、S寝台とB寝台はカプセルホテルのような半個室で、S寝台は1段、B寝台は2段ベッド(厳密には違うけど)になっている。2等は広間に集団で雑魚寝スタイルだ。
17:57

これが私の拠点!!!
とは言ってもただの1段ベッドです。でも、¥7,800(早割価格)で北海道へ渡れると思ったらあまりにも上出来すぎない?(ただし40時間かかる)
ベッドはカプセルホテルと同様、ロールカーテンが付いていて、内側からなら鍵を閉められる。
B寝台との客室以外の違いで言えば、スーツケースや靴などはベッドの下に収納することができるが、もちろん鍵等はないので管理は自己責任。怖くてそこには置けねえ...。
また、昨年のB寝台ではネットは繋がらなかったが、ここでは時折1本だけつながることがあった。(恐らく、等級による差ではなく位置的な問題と思われるが)


私の拠点があるS寝台536室の構造はご覧の通り。1つの大部屋にベッドがずらりと並んでいる仕様だが、B寝台の部屋よりも空間的余裕は大きく感じる。
ちなみに昨年は向かいに旅客はいなかったが、今年はいる模様。仙台か苫小牧までかわからないけどよろしくな!!(別に喋る機会があるわけではないが)

これは536室前の廊下。「いしかり」は公式HPによれば「エーゲ海のきらめく青い海と空 白壁の家々を思わせる明るい船内」とあるが、「きそ」より照明が白いのと、寒色系の色が多いせいかちょっと寒々しく感じる。(とはいえ、左の壁も青だったら暑苦しいというか、溺れてる気持ちになるんだろうな...船でそれは嫌だ)
自分の居室確認をしたところで、船内散策を行う。まだ出港までは時間がある。(当然荷物は全部持っていく)

6Fのスタンド「ヨットクラブ」付近。時間限定ではあるが、軽食を販売しているスタンド。貧乏人の学生にとっては、少し贅沢気分を味わうためには格好の場所。

同じく6Fのレストラン「サントリーニ」前。太平洋フェリーではバイキング形式でご飯を提供するレストランもある。ここは明日お邪魔するので詳しくは後述。

こちらは「いしかり」のメインオブジェらしい展望エレベーター
5Fから7Fまで吹き抜け構造で、およそ国内フェリーとは思えない豪華さだ。
せっかくなので少し甲板に出てみる。
18:06

スカイデッキ。
見上げるたびに目に飛び込んでくる、堂々たる太平洋フェリーの社章。その大きな文字は、まるで旅の象徴のように、移りゆく時刻や天候とともにさまざまな表情を見せてくれる。朝焼けに染まる姿、雨に霞むシルエット、夕陽に照らされる黄金色の輝き...

西側からは、闇に包まれ始めた名港トリトンが見えた。

茜色に染まる空と、それを映し出す穏やかな水面。
橋のシルエットは闇へと溶け込む前の一瞬、美しく際立ち、ヘッドライトの明かりが夜の訪れを告げる。

東側はもう暗い。青黒い空と巨大な煙突に威圧され、禍々しささえ感じる光景だが、先のことを考えると明るさしか感じなくなってきた!!希望!!!
出航までまだ時間があるので、ラウンジでセブンで買ってきたご飯を食べることに。
18:24

ってことで、なんの変哲もないおにぎりでした。(レストランは使わないのかって??学生にディナー料金¥2,100×2日分は辛いよ!まだここ愛知だよ!)
昨年よりも旅客が多い気がする。ラウンジの話し声が多い。
おにぎり食べてる間に船内放送が。仙台港周辺は2mの波があり、やや時化ではあるが航海に影響はないとの案内。本当にこの豪華客船で北に行けるんだ、と実感が湧いてきた。
18:51

出航10分前、再び甲板へ。
茜色の輝きは失せ、一気に「おとなのまち」になっていた。
◯3月5日 19時00分 名古屋港 出発

定刻、一瞬の合図の後、船は動き出した。巨大な船体がゆっくりと陸を離れていく。
出航を見守ろうと、穏やかな風吹く甲板で下を見つめる旅人たち。
社員たった1人、こちらに手を振ってくれている。こちらも応えるように青いペンライトを振っている人がいる。いつまでも。いつまでも...。
19:16

「いしかり」は港内で進路を南に変え、左右に工業地帯を見ながら南へ進む。
仙台や北海道へ帰る人はこの景色に何を思うのか。
停泊中には無かった風も速度が出るにつれて強くなってきた。カメラを持つ手が冷たい。
19時30分、名港トリトンをくぐると甲板の人の出も少なくなってきた。私も"拠点"に戻ろう。
向かいの人は既に就寝中のようだ。私も興奮と重荷で疲れたよ。少し眠るとするか...
20:33 起床
なんだか寒い。

ここで少し、S寝台"内部"の紹介をしておこう。
簡単に言うと、前述の通り「1段ベッド」なのだが、高さ方向の余裕が非常に大きい。
写真は足元方向だが、部屋上部にはBSデジタル放送受信テレビがついていて、そのさらに上にはナップ程度なら余裕で入る収納がある。
その他設備としては、読書灯、毛布、枕、コンセントがある。

www.taiheiyo-ferry.co.jp
公式HPでは「テレビ付き」と大々的に(?)謳っているが、画質は荒いし時々途切れたりもする。あくまで文字通りテレビが見れるだけで、それ以上でもそれ以下でもない。(まあ、運賃込み¥7,800でテレビが見れる部屋が取れるのは凄くないか...?)

こちらは頭方向。中央上部に読書灯、左にちょっとした小物置きとテレビのリモコンがある。
ベッドの幅も標準体型なら狭いと感じることはないはず。
特筆すべきは頭上方向の高さで、身長183cmの筆者でもギリギリ立てるほどの空間がある。着替えが立ってできるのは非常に楽だし、何より圧迫感が少ない。(仰向けで上を見ると部屋が異様に長細く感じる)
プライバシー確保のためのロールカーテンは、内側から鍵をかけることができる。
1つ難点なのは、コンセントが読書灯の真下についていること。携帯とか、充電ケーブルが短いと本体が宙ぶらりんになっちゃう...(小物置きに置けば解決はする)
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参考までにB寝台の頭方向がこちら。

ナップから頭上方向の高さにほとんど余裕がないことが分かる(HPによれば、当該写真「きそ」のB寝台高さは90cm)。そして、荷物置きも無いのでただでさえ狭いベッドがより窮屈になってしまう事態に。(私は秘密基地感があって好きだったけど、着替えが座ったままでしかできないのは結構しんどかったし、箱の中で寝てるみたいで圧迫感もあった)
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小物置きとテレビのリモコン。レトロを感じる。
おにぎり2個ではもうお腹が空きはじめて来た。スタンドへ何か食べに行こう。
5F(S寝台)から6F(スタンド)へ移動する際に、まだ寄っていない設備も見てみた。

ゲーセン。船上でレトロゲームが遊べるの豪華すぎるが、私は昨年と同様立ち寄っていない。

ショップコーナー
寄港地のお土産や太平洋フェリーグッズが購入できる。つまり、北海道上陸前に白い恋人を買うことも可能...!

「いしかり」のオブジェ的なやつ。
船内のあまりの豪華さに海上にいるのを忘れてしまいそうになるが、ここは海の上だと浮きが教えてくれる(船の揺れはここまでほとんど無い)。

5Fインフォメーション付近には、いま船がどこにいるか、寄港地の天候はどうか、船内の案内等が1箇所で確認できるコーナーがある。お世辞にも画質が良いとは言えないモニター(こういうのに旅先の定食屋のテレビを感じて、旅行気分を味わう)によると、出航から1時間40分ほど経ってもまだ伊勢湾。そりゃ北海道まで40時間かかりますよね...。焦らず行こう。
明日の仙台の予想最高気温は13度、晴れのようで、東北にも春の兆しが見えて来た頃か。

先ほどもやってきた6Fスタンド「ヨットクラブ」
やさしいオルゴールによって落ち着いた雰囲気が漂う。周辺は、出航前の賑やかさは失われ、昨年のような静寂を取り戻していた。
メニューはドリンクと軽食が中心。アルコールもある。(ビール、酎ハイ、ワイン、日本酒、ワイン、ハイボール、焼酎) 豊富だ。
20:50
私は昨年と同様、まかないカレーを注文。(¥600)
昨年よりも少し値上がりしていた。(昨年は¥550)
太平洋フェリー伝統の味らしい。
番号を呼ばれ、番号札をスタンドへ持っていく。スタンドでカレーとセルフサービスのお茶を受け取り、数人しかいない座席へ。
結構とろみのあるルーはライスと絡めて食べるのに好都合。お味は船の上だからとか関係なくめちゃ美味いです。スパイスを感じつつ、辛いわけでは無いので万人が食べられる味。
人が疎らなカウンターで大海原を前にカレーを食す。そろそろ渥美半島を通過すると言うところで僅かに灯りが見えた。

甲板に出る。渥美半島が見え、まだ人里見えるところに居ることに安心する。風はあるがそこまで寒くない。
再び眠くなって来たので早く寝よう。翌朝、日の出が見えそうな銚子の天気が雨、そして日の出の時刻が6時であることを確認し、日の出が見れることを願って展望大浴場へ。
大浴場は欧風っぽくて明るい雰囲気。壁にはサイ◯リヤにありそうな壁画が。
個人的にはブラック系を基調としていた「きそ」の方が大人っぽくて好みでした。また、「きそ」には寝湯があったのも好きポイント。
とはいえ、どちらもホテルと同レベルの浴場が備わっていることに感激。
www.taiheiyo-ferry.co.jp
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浴場を出て、脱衣所で着替えている最中に22時を迎え、明日の日の出は6時2分との放送があった。
トイレで歯を磨いて拠点でゴロゴロ。22時50分に就寝した。