そのひぐらし

旅だけがアイデンティティ

【2022春】太平洋フェリー「きそ」B寝台乗船記録 後編

 

2022/03/08(2日目) 17:28

僅か1時間と少しだけ仙台の人となることを許された私は、まずは近くのイオンで今夜の酒とつまみを購入。めちゃくちゃ1人で楽しむ気ですやん俺。

イオンを出て、すぐ行ける場所ないかな〜とGoogle マップを眺めた結果、仙台港中央公園に行ってみようということに。日も暮れて夜の帳が下り始める臨海部の街をひた歩く。仙台に来たという実感は全くないが、道を歩いていると時折現れる青い道案内の看板や"仙台臨海鉄道"の文字がここは仙台だよと視覚に訴えかけてくる。

(そういえば名古屋と比較すれば仙台は十分北国だ。しかし気温面で名古屋との差は感じなかった。フェリーで長い時間をかけてやってきて身体が徐々に順応したからだろうか。)

 

仙台港中央公園に着くと、時間の関係で既に閉園しているっぽかった。

ただ仙台の臨海を散歩しただけだったなと思いつつ、それでもどこか満足してフェリー埠頭に戻った。

 

18:03

仙台港フェリー埠頭に戻ってきた。辺りはもう真っ暗。名古屋港の太平洋フェリーターミナルとなんとなく似た造りをしている。仙台から旅立つ旅客に紛れて18:15の乗船開始を待つ。待合場所は乗船待ちの人で埋め尽くされていた。名古屋ー仙台よりも仙台ー苫小牧の方が需要があるようだ。確かに前者は隔日運航なのに対して後者は毎日運航と頻度に差がある。

 

これは途中下船するにあたって手続きを行なって得た再乗船証。

 

時刻はちょうど18:15、放送とともに旅客は我先にと乗船のタラップへと向かっていく。私も続け続けと長い長いタラップを歩き、1時間半ぶりに豪華客船の旅人となる。船とは思えない豪華なエントランスに見慣れからもはや安心感を覚える。

 

18:30

仙台から乗ってきた大勢の旅客でゆったり食事ができなくなるのを恐れた私はレストランの開店と同時に夕食を摂る。これでレストランでの朝昼夕3食完全コンプリート。また1つ経験値を上げた。

急ぎすぎたかまさかの1番乗りでまだフェリーのお姉さんたちが楽しく談笑していた。別にこちらは悪いことしてないんだけどなんかごめんね。

 

停泊中の仙台港の船上でサーロインやカツオのたたきなど、朝昼よりもちょっぴり豪華なご飯に舌鼓を打つ(ちなみに、夕食料金は朝昼よりも高い)。特にサーロインは冷めても柔らかくて美味しかった。船上でもこんな料理が出せることに驚いたよね。あとカツオのたたきはニンニクが合う。生姜以外に知らんかった。

 

隣のトラックドライバーたちだろうか、おじさん集団がビールで宴を催していたのが印象に残っている。

 

 

19:40

せっかくの船上ディナーであるにも関わらずさっさと夕食を済ませ、甲板に出てきた。もちろん仙台港の出港を見届けるためである。(この記事書いてて思ったけど、これだけワクワクしていろんなこと試みてる割にはディナーでお酒飲むことはしなかったんだなって、ちょっと意外)

 

誰もいない甲板...。

ただでさえ北国にいると言うのに、まだまだ北へ向かうと言うのか...。

仙台港に着いた時は久しぶりの人里に安心感を覚えたが、いざ出発ともなればまだ明るい港にいるのにどこか寒々しく感じ、心細く感じ...。

 

19時45分、定刻より少し遅れて仙台港を出港。方向転換をして東に進み、静かに明かりが遠ざかっていく...。次の停泊地は終着・苫小牧だ。

 

 

もうやることも一通りやったと言える。一旦部屋に戻って寝た。誰が消したか分からないが部屋の電気が消灯されていた(反射で明るいのは廊下の明かり)。

 

 

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目覚めたら22時前、船上で過ごす最後の夜に途端に名残惜しさを感じた私は暴風吹き荒れる甲板へ出た。星が綺麗だった。私たちは日頃電灯やビルの明かりで本当の夜空を知らない。絶海の彼方では月明かりですらも眩しく感じ、一筋の光が海上を白く照らしていた。物語にありそうな光景に思わず息を飲んだ。しかし美しい風景とは裏腹に風は相当強く、体ごと持って行かれそうになり恐怖を覚えた。

 

ちなみにこんな時間、そしてこんな暴風なのに私のような物好きが甲板に1人だけおり、ちょっと驚いた。こんな環境では長時間黄昏れることもできまい。

 

 

 

そしてやはり締めは大浴場で。誰もいない風呂。

太平洋フェリーのHPより

写真だけ見たらホテルの風呂と区別がつかないだろう。よくぞこんな豪華な船を造ったものだ。私の知らない世界をまた1つ、開拓したか...。

弱すぎるドライヤーを頭に当てながらボーッとする。なんてことのないこんな時間に幸せを感じる。そろそろ日付が変わりそうだ。明日は絶対に日の出が見たい。5:55に起きるのだ。絶対にな...!

 

 

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2022/03/09(3日目) 0:18
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日の出を見ると誓って風呂を出たはずの私の姿はなぜかラウンジにあった。

そういえばこの日、3月9日は大学の成績発表なのだった。日の出も見たいが成績も見たい私は我慢できず、誰もいないラウンジで3Gが4本立ってる微妙な接続具合で粘りに粘り、15分かけてなんとか成績を見ることができた。

 

北の大地に向かう船内でフル単を知る。

これより前にも後にも無い経験だろう。まだ北海道にすら着いて無いのに初めてだらけの経験でお腹いっぱいだよ。

 

 

 

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2022/03/09(3日目)

最低な夢を見た。最低な目覚めをした。それにしても夢を見る時間が長すぎた気がする。日の出に間に合うk...ハッ!!

目覚めてすぐ嫌な予感がしたんだよな。時計を見ると時刻は既に7時をまわっている。慌ててブラインドをあげると狭苦しい船底のB寝台573室にも光が差し込んでいる様子。これはやったなぁと思いつつ晴れてはいるようで、今すぐ甲板に上がらなきゃ!!

 

甲板に上がると風が強すぎて、さらに指が千切れそうなくらい寒い。しかし昨日とは打って変わって青い空に昇りすぎて赤みを消しつつある太陽の姿。反対を望めば雪を被った下北半島の姿。そうか、ついに北日本にやってきたんだな...!

 

昨朝とは全く異なり突き抜けるような青い空、どこまでも続く大海原、地球が丸く見えそうな水平線。日の出が見れたら息を飲むほど感動しただろうがこれでも十分だ。やはり船旅の醍醐味は船上で迎える朝日だろう。

 

甲板上はあまりにも冷たすぎて、撮影する私の手も水平を保てないほど風が強すぎて、長居するには向かなさすぎる環境だった。それでも私は初めて出会う船上での朝日にひどく興奮し、舞い上がり、ひたすら夢中で写真を撮り続けた。

 

こんなにも水平線と空の境界がはっきりと分かることがあるだろうか...。遥か彼方まで遮るものは何も無い。

 

 

夢中で写真を撮り続けていたものの、次第に寒さの限界を感じ、ラウンジへ急いで退避した。展望通路にも眩しい朝日が差し込み、温かい空間を作り出していた。ここで顔を洗ったものの、指先が冷えすぎて洗面所の水が温水なのか冷水なのか分からなかった。

 

 

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今日の朝ごはんは軽食ラウンジ"マーメイドクラブ"の1日4食限定の名古屋コーチン卵かけご飯と決めていた。出発前からマーメイドクラブの紹介に記載されていて気になっていた(1日目、乗船後21時頃に食べようとしたのだが無かったのだ。Part2参照)。4食しか無かったらそりゃすぐ無くなるよな...。

ということで限定とあらば開店と同時に行くしかない。7時50分に一旦寝床に戻った私は少し準備をして8時ちょうど、開店と同時に舞い込んで無事TKG1番乗りを果たしたのだ。日の出は見れなかったがTKGは食べることができた。

 

写真は私が1食注文したので残り3食になっている。

 

こちらが名古屋コーチンTKG。汁と漬物もついたこのボリュームで船上価格で¥550って安くね?少し陸地から離れて見えない北の大地を想像しながら食べるTKGは格別だ。足元を右から左へ群青が流れていく。思わず津軽海峡冬景色が聴きたくなる。竜飛岬はご覧になれない(地理的な問題で)。卵とご飯の配分が適切すぎて、私のようなご飯が多すぎて卵が薄い貧乏TKGとは訳が違う。

 

ちなみにTKGは開店から21分後の8時21分に既に売り切れていた。

 

 

お腹を満たした後は寝床に戻り1時間ほど睡眠。9時45分に起床し予定では11時となっている終着・苫小牧の接岸に向けて下船する準備をした。

準備を終えて10時18分、最後に大海原の眺めを楽しもうと甲板へ上がると...。

日もだいぶ昇った。晴天だとこうも印象が変わるものか。

 

昨朝と同じ、誰もいない甲板にポツンと1人、いや、この広い海原に1人...だがしかし、全く持って心細さは感じられない。これは!やっと見えてきた北の大地への希望と期待しか感じられない!!

 

うおぉおおぉおおおお!!!!

ついに北海道が見えてきた。馬鹿だ...本当に船で北海道にやってきてしまった。名古屋港を出港して39時間強、あまりにも時間がかかりすぎた。時間のせいでとっても遠い場所のように思える。いや、実際にとっても遠い場所なんですけど。

3枚目の写真は支笏や有珠山あたりだと思うんですけど、ちょっと北海道の土地勘がないので分からない、がアンサーです。

 

こちらは恐らくこれから接岸する苫小牧の街並み。苫小牧市は人口17万人弱で北海道4番目の人口を誇る工業都市である。札幌都市圏、そして北海道の空の玄関・新千歳空港に割と近い太平洋側の港であるという地理条件から工業都市港湾都市として栄えている。写真でも圧倒的に分かる工業都市感。

 

10時45分、定刻到着時刻の15分ほど前から苫小牧港への接岸作業が始まった。汚いガラスから見える苫小牧の街は思っていたよりもだいぶ都会だ。ビル群の後ろに白く雪化粧をした山々が見える。

 

10時57分、下船のご案内が流れた。1列に並んで下船を待つ。ついにゲートが開かれた!!大勢の旅人が北の大地に解き放たれた。

いざ、北海道に上陸!!!

名古屋、仙台と同じく長いタラップを渡ってフェリーターミナルへ。エスカレーターがあったりそもそもの規模が大きかったり、そして新しめなターミナルだ。

ここは仙台、名古屋だけではなく八戸、大洗(茨城県)など各方面への海の玄関口だ。

 

元気です北海道。それは良かったです。

掲げられた多くの旗に少し国際を感じつつ、改めて背後の太平洋フェリーの大きさにビビる。この全長200メートルもある巨体が私を名古屋から北海道まで連れてきてくれた。

 

太平洋フェリー。人生初の船旅がこれで良かった。船旅の醍醐味と旅情をひたすらに享受でき、ゆったりと流れる自分の時間を噛みしめることができた。旅情を感じるという観点ではB寝台にして良かったなぁとも思う。狭苦しいことには変わりないけど。

 

 

フェリーターミナルを出て苫小牧駅行きのバス乗り場を探す。そして目に飛び込んできたのは雪雪雪。昨夜の仙台では見られなかった光景に思わず口角が上がってしまう。凍った歩道で11時30分に発車するバスまで寒空の下待ち続ける。北海道対策と称して下半身にヒートテックタイツを、上半身はヒートテック含めひたすら重ね着を施した重装備のおかげで隠れている部分は寒くないが手が寒い。これからの長い長い滞在期間の課題となりそうだ。バス待ちで長蛇の列を成しているがみんな寒そう。

 

 

寒地で使用され続けたんだろうなと一目で分かる汚れたバスがやってきた。遥々太平洋フェリーでここまでやってきた旅人はみんなこれに乗って苫小牧駅に向かう。

そういえば仙台で降りた時に顕著に感じられた船に乗ってます感の酔いが全くない。あるのは精神的な疲労のみ。完全に船に慣れてしまったのだろうか。少し心臓に来る疲労を感じる。船内では寝てばっかだったとはいえ環境が良くないからか。私はどこでも寝れると自負しているが、寝つきが良いだけで身体的負担を考えるとどこでも寝るべきではないかもしれない。

 

車窓がだんだん都会になっていく。車より高く積み上がった道路脇の雪に北国を感じる。

駅前通りに入ると前方に巨大な白壁が見えてきた。

徐々に近づくとそれは駅ではなく巨大なメガドンキであった。

3月9日(3日目) 11:45 苫小牧駅到着。長きに渡る北海道紀行がついに(やっと)始まる...!

 

 

 

 

2022/09/02:投稿

2023/12/05:再投稿

【2022春】太平洋フェリー「きそ」B寝台乗船記録 中編

前回、1記事2800文字も使って1時間半しか時間進んでないらしい。編集時間>経過時間

 

2022/03/07(一応の1日目) 19:00

定刻通り19時、すっかり暗くなった名古屋港を出港。もうしばらくは地に足つかぬ海上の人。そしてもうしばらくは...名古屋の空気に触れることもない。

初めは日本でもトップクラスを誇る取扱量を誇る港や伊勢湾岸道名港トリトンなど、眩しい明かりに照らされまるで物語の主人公になったかのようだったが、次第に明かりは減っていき、ついに陸からどれくらい離れた位置にいるのかも分からないくらい真っ暗になった。しかしさすが巨大な船体。暗闇を優雅に進んでいく。それでも先の見えぬ行先にこれからのあまりにも長すぎるスケジュールが重なり、心細さを感じた。

 

 

19:30

1人真っ暗な甲板に立ち、あらぬ思考を張り巡らせるのもまた一興ではあるものの、だんだんと冷えに耐えられなくなってきたので一旦自室(という名のただのカプセル)に退散。パンパンに詰まった登山用のナップから天井の低さが窺えるだろうか。子供の頃は秘密基地とか大好きだったけどいざそこで40時間ともなると訳が違う。ここは寝るだけに留めよう。船底でエンジンが近いからか妙に暑苦しいし。

 

 

そんな簡素な室内でもちゃんとコンセントはある。携帯の充電も安定してできたしこれはありがたい。

 

 

そしてハンガーも1本だが備え付けられている。何かに使った覚えがある(忘れた)。

 

狭っ苦しい室内だが、格安だしこれから北海道へ向かうんだという序章のような盛り上げ役としては最高だ。旅情をそそられる。

 

カプセルで落ち着いていると慣れない船旅とあってか早くも疲労がどっとやってきた。

 

 

...

 

 

時刻は20時36分。1時間ほど眠りに落ちた。

今まで馬鹿でかいナップ(今旅の全ての荷物が詰まっている)を部屋の中に置いていたが、カプセルには外側からかけれる鍵が付いておらず、部屋を離れる際に荷物の無事が気になること、そして大きなナップを背負ったまま船内で過ごすのが苦痛になってきたのでここで荷物の取捨選択。大きなコインロッカーに馬鹿でかいナップをぶち込み一気に身軽になった。お前は北の大地でまた会おうな。

 

 

ちょっと腹が減ってきたのと、やっぱり船旅の経験値積みたいということで船内にある軽食をやっている「マーメイドクラブ」にやってきた。

21:30までの営業で、HPで見た名古屋コーチン卵かけご飯が気になったもののメニューには見当たらず、止むを得ず賄いカレー(¥550)を注文。

洒落た器に入ったカレーは結構美味いんだなこれが。

顔を上げればきっと大海原が広がっている。しかし真っ暗過ぎて何も見えない。そして誰もマーメイドクラブでお腹を満たしている気配がない。船外にいても船内にいても心細いというのか。

 

再び甲板に出ると暴風が吹き荒れていて、身体ごと飛ばされそうでとっても心細い。遠くに微かに人家の明かりが見える。ゴミ程度に繋がるネットで現在地を確認するとそれが渥美半島なのだと知る。全然進んでない。

 

 

1日の締めは船内の大浴場で。

入港30分前までいつでも入れるとかいう便利さ。そして船内なのに陸地にあるそこまで高くないホテルと同等の設備が備わっている。これはすごい(実は私が船旅を知らないだけで当たり前なのかもしれないが...)。お湯の温度は熱めに感じた。これは私が甲板で体を冷やし過ぎたからかもしれない。

 

 

22:01、明日の日の出は5:58との案内があり、また本日の放送はこれで終わりとのこと。

初めて船上で夜を明かすこのワクワク感。堪らない。これから何をしてやろうかやとカプセルでそわそわしていたが気づけば眠りに落ちてしまったようだ。

 

 

 

 

 

 

2022/03/08(2日目)

途中何度も目覚めながらやっと迎えた朝。それでも計8時間くらい眠れているからか船上という条件がありながらも疲労はそれほど感じない。B寝台は意外と眠れる。

 

...

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...

 

腕時計を確認する。6時23分。

完全にアラームをかけ忘れていた。船上から見る日の出をめちゃくちゃに楽しみにしていた。寝坊した!!と焦ってカメラを持って甲板に出る。

どよ〜〜ん。

 

2022年3月8日、人生初めての船上で迎える朝は暴風雨。空は1ミリも赤みを帯びておらず、風がとっても強く、マスクが飛ばされそう。

そしてまた誰もいない甲板にポツンと1人。いや、この広い海原に1人。そうか...船旅には私の知らない魅力がある...!

 

 

揺れが外海特有の周期が大きいタイプになってきた。昨夜までにはなかった特徴である。これは気持ち悪くなるかもな...と思い予防的に酔い止めを服用。旅を楽しむためには早めのパブロン予防策が重要なのだ。

 

展望通路で灰色の海と空をぼーっと眺める。邪魔する者は誰もいない。朝食前に余裕の優雅なひとときを過ごす。

 

 

7:26

おはようございますの放送。そして朝食営業開始だという。混む前に行かなきゃーーっ。

マーメイドクラブ、展望通路の横を通りレストランへ向かう。恐らく初船上レストラン。食券を買ってお姉さんに手渡し、ビニール手袋をつけてバイキング形式の朝食をとる。

まだ時間が早いからか窓側の席が空いていた。良いね。

 

普段は朝食を食べる習慣のない私もこの時ばかりはと張り切っていっぱい盛ってきた。私は毎回バイキング形式の朝食は和食なのか洋食なのかよく分からない盛りつけ方をする。(ヨーグルトと納豆が共存する世界) 食べたいものを食べられるバイキングだからなせる技ですね。

昨夜は若い集団を見かけたが朝食をとっているのはおじさんばかり。やはり若者には朝食をとる習慣がないのだろうか。

 

果てしなく続く海を眺めながら食べる厚焼き卵が最高だった。

 

 

 

 

朝から自分の食べたいものだけでお腹を満たした幸せ者はカプセルへ戻る。

すると再び眠気が。

 

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寝ても寝ても永遠に眠い。春眠暁を覚えずというやつか。それか酔い止めを服用したせいだろうか。3月8日の午前は1回甲板に出た以外はカプセルでずっと寝て終わった。まあ船の上でできることなんて限られてるし、こんなにも時間の制約なくのんびりとうたた寝できるのも普段の日常生活じゃあり得ない、正しい(?)優雅な時間の使い方なのである。

甲板に出ても相も変わらず視界不良だし。そんなに陸から離れていないところを航海していると思われるが絶海の中にポツンといるような。

 

 

12:30

飯食って寝て飯食って...。全く欲求に忠実だぜこの旅人は!

 

朝食と同じシステムで昼食をとる。メニューが少し変わっていたがサラダや味噌汁は変わっていなかった。そういえば一応サラダバードリンクバー付きということらしい。朝からドリンクバーで炭酸飲んだの初めてかもしれない。

再びゆったりと進む海の眺めに腰を下ろし、美味しいご飯で腹を満たす。シンプルだがこれ以上ない幸せなのかもしれない。

 

朝食の時も思ったが乗客の数に対し取ってる人の数が少ないように見える。朝食も昼食も¥1,100と個人的には十分な値段設定だと感じるがみんなはどんな方法でご飯をとっているのだろうか...?名古屋港を出港する際に全部買い込んで来てる...?

 

 

昼食を取って席を立ったら日差しが入り込んできてることに気づいた。ついに天候回復か。明日は日の出が見たいよう。

www.taiheiyo-ferry.co.jp

HPによれば14:30であるという太平洋フェリー同士のすれ違いまで陽の当たるラウンジで音楽を聴いたりこのブログの元となっている日記を書いたり。

数人しかいない周りの乗客もうたた寝をしたり読書をしたり思い思いの時間を過ごしているようだ。この時間よ、止まれとは言わないよゆっくり進め。たったこの瞬間も豪華客船は北へゆっくりと歩みを進めている。

 

 

14:20

そろそろだろうかと甲板へ向かう。風は少し収まった模様。

甲板に上ると真っ先にお姉さん3人組に声をかけられ写真を撮ってあげた。1人旅の若者は声をかけやすく好都合なのだろう。甲板上は私とお姉さん組だけであったが、いつもならそれからくだらない話をする私であるがそれ以上関わるのはやめておいた。

まもなくすれ違いの放送がかかると甲板には10人くらい集まっただろうか、同じくすれ違いを見に来た人たち。進行方向左奥から思ったより速いスピードで近づいてきた名古屋行き太平洋フェリー"いしかり"は14:39、お互いの航海の無事を祈り、汽笛を鳴らしすれ違った。

向かいの甲板にも10何人かこちらを見ている人がいる。私たちは只今仙台・苫小牧へ、彼らはこれから名古屋へ旅の途中。海上にて一期一会。ロマンの極みしかない。

いしかりの去り際を太陽が照らし、華やかさを演出していた。

 

www.youtube.com

 

その後はラウンジでゆったりと過ぎる時間を噛み締めたり狭く暑苦しい部屋で過ごしたり、甲板で徐々に傾いてきた陽を眺めたり。16時27分、定刻より少し早く仙台港に接岸したのを部屋にて放送で知る。とりあえず甲板に上って仙台港とはどんな場所か見てみよう。

 

            仙台港は定刻では16時40分着、19時40分発となっており、苫小牧まで向かう旅客は途中下船も可能

本当に洋上で1日を終えてしまった。特に何か生産活動をしたわけではないが素晴らしい特別な1日だった。

 

名古屋港以上に貨物の気配がする。無論、名古屋の方が規模は大きいはずなのだが仙台の方が全てがコンパクトに、近くにあるからこのような感想になるのだろう。(写真には写っていないが)遠くに観覧車やイオンが見える。仙台に来るのは2016年3月以来、実に6年ぶりだ。最初は途中下船するつもりはなかったがそろそろ地に足をつけたいのと仙台の地を久しぶりに歩みたいという気持ちから急遽途中下船することにした。急いで甲板を降り部屋に戻り、準備をし、必要な手続きをロビーにて終え、16時47分、私は(一時的に)仙台の人となった。

 

 

ようこそ仙台港へ。

ここまで21時間半も船に揺られてきたのにも関わらず仙台に来たという実感はない。

 

レトロなフェリー埠頭には似つかわしい、あまりにも巨大な豪華客船が停泊している。

乗船から22時間以上船上で揺られていたとあって、気持ち悪さはないが感覚が麻痺していて真っ直ぐ歩きづらい。まるで酔っ払いの千鳥足のよう。立ち止まると波による上下運動を感じる。こんなの初めてだ。

 

 

さあ、仙台に居られるは僅か1時間と少し、何をしようか。

 

 

 

 

 

2022/09/01:投稿

2023/12/03:再投稿

【2022春】太平洋フェリー「きそ」B寝台乗船記録 前編

2022/03/07 17:26

寒空の下、青いナップを背負った男が一人。彼はこれから北海道へ行くらしい。

特大サイズのナップは大きな期待とさらに大きな不安でいっぱいになっていた。

そして北海道に行くという実感は未だ全くない。とにかく一つ言えるのはしばらく名古屋とはおさらばだ。

あおなみ線野跡駅から交通量の少ない海沿いの道をせかせか歩く。60分前、即ち18時だというチェックインに間に合わなせなければならない。

奥には名港トリトンが見える。周りの景観で工業地帯を歩いていることに気づく。

 

 

17:45

やってきた。フェリーふ頭。

タイトルにもあるのでお察しだとは思われるが北海道までの往路の交通手段は船である。

www.taiheiyo-ferry.co.jp

旅好きで知らない人はいないであろう、名古屋ー仙台ー苫小牧を40時間かけて結ぶ豪華客船「太平洋フェリー」である。往復飛行機というパターンも考えた(というか、普通はそのパターンだろう)が、今回私が乗船する条件では値段が大して変わらないこと(今回の条件では片道¥12,600だった)、そして人と違った特殊な経験をしたい見栄、単純な船旅への憧れから行きは北海道まで遥々40時間かけて行くことにしたのである。

 

いたいた。あれが今から2日近くお世話になる豪華客船「きそ」である。HPでは優雅な船旅をご提供と謳っているが、全くその紹介文に恥じない規模の船である。

 

文字通りの豪華客船の横には、豪華客船を運行している会社にしては似つかわしいこじんまりとしたフェリーターミナルが。早くチェックインを済ませて船内へ行きたい!

 

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(チェックインの時間に余裕がなかったために)焦っていた私を落ち着いたお姉さんが笑顔で出迎えてくれる。予約済みの私はそのままお会計へ。レジ横に各寄港地の天気が掲載してあった。苫小牧の-10℃が気になった。

 

仙台経由苫小牧行

名古屋で東北や北海道の地名を見ると思わず沸き立ってしまう。

 

 

エレベータで2階に上がり、誰もいない待合室を通り抜けて...

 

いよいよご船体とご対面。明らかに今まで乗った船の中で1番大きい。これが北の大地まで連れていってくれる頼もしい相棒かァ!!

眼下では車の積み込み作業が進んでいた。そう、太平洋フェリーは豪華客船かつカーフェリーでもあるのだ。広大な北の大地を乗り慣れたマイカーで走りたければぜひ太平洋フェリーのご利用を。

 

 

誰もいない長い長いタラップを進む。飛行機を思い出す。聞こえるのは私の足音だけ。

いよいよ船内へ。みんなの考える"船長"っぽい格好をしたおじさんが乗船券を拝見し、私を豪華客船に解き放つ。

まずは私が指定された部屋へ。

太平洋フェリー"きそ"は上からスイート、特等、1等、S寝台、B寝台、2等という等級に分かれており、私が今回乗船するのは下から2番目、B寝台だ。ちなみに1等までが個室、S寝台とB寝台はカプセルホテルのような半個室、2等は広間に集団で雑魚寝という保育園のお昼寝スタイルだ。(保育園ほど大人数じゃないけど)

 

船奥のB寝台、2等客室ゾーンの廊下をひた歩く。学校の廊下とは違う、明るい雰囲気ながらすれ違いにも窮屈を覚えるこの廊下は今までに味わったことのない感覚だ。

 

ここが私の40時間のプライベートルームが存在するB寝台部屋。廊下から部屋に入ると半個室のベッドが並んでいる。

 

部屋に入り左右を見てみれば...

プライベートルームなんて上等なもんじゃねえ!ただのベッドだ!

...とはいえ、先ほど述べた金額を思い出して欲しい。¥12,600。この金額で北海道へ渡れるのならば40時間の居室がカプセルホテルであっても文句はないものだ。というか、太平洋フェリーは仮にも豪華船内なのでレストランやらお土産屋やら軽食屋やら、ラウンジやら、風呂やら、ゆったりと時間を過ごすスペースはいくらでもあるので...。

 

ちなみにベッドにはカプセルホテルと同様にロールカーテンがついており、内側からなら鍵を閉められる。(靴はどこに置いたらいいんだ...?)

 

 

とりあえず自分の居室確認をしたところで出航までは少し時間がある。船内散策だ。

 

こちらは2等

ちなみにB寝台と2等には運賃に気になるほどの差額はなく、まあそうだよねというか、この日はB寝台ばっか埋まってて2等は1人とかしかいなかった記憶。

 

 

こちらはゲーセン。1回も立ち入ってないのでコメントはできない。ただ豪華だよね。

 

 

自販機スペースもある。売店やレストランが閉まってる時間でも喉が枯れる心配はない。

 

展望通路。腰まで広がる大きな窓から一面の海原が見渡せる。居室が狭すぎて睡眠以外のスペースとして使えない私にとってはキーポイントとなる場所。コロナ前はピアノの生演奏もあったらしい。

同じく展望通路。大人の雰囲気を醸し出している。

 

こちらはエントランス上空。船に吹き抜けがあるとか凄いかよ(語彙力)。

 

 

こちらは売店。まだ名古屋にいるのに白い恋人のポスターを見せられるとは。北海道はすぐそこか。

 

ここで紹介した施設以外にもレストラン(後述)、シアターラウンジ(映画とかラウンジショーとかやってるらしい。)、軽食スタンド(後述)、大浴場(普通にスーパー銭湯と遜色ない設備で驚いた)、インフォメーション、カラオケスタジオ(コロナでやってない)etc...豪華客船を名乗るにふさわしい設備だ。

 

 

一通り船内を巡ったが出航までまだ時間がある。

1番落ち着いていそうな展望通路に腰掛けてさっき買ったコンビニ飯を食らう。せっかく豪華客船に乗ったのにレストランでご飯を食べないんかいだって?乗船時間は40時間。明日の夜もこの船で過ごすんだ。船上バイキングは明日にとっておいてやる。(というより、ディナー料金¥2,100を2日分取られるのが学生にとって痛かっただけです。まだ北海道にすら着いてないし。)

 

そしてここまで散々船の話をしといて言うのもおかしいが私は船がてんでダメでめちゃくちゃ酔うのです。酔い止めもしっかりと服用。(愛知県民に分かるように言えば、篠島日間賀島に向かう船で酔うぐらい)

 

酔い止めを飲んだらたちまち元気になった(プラシーボ効果?)私はついに甲板へ。

 

夜の帳が下りた名古屋港。名港トリトンがすぐそこに。遥か向こうには養老山地が。しばらくこの眺めとはおさらばだ。

 

 

あまりにも巨大な船体。宵闇に浮かび上がる太平洋フェリーのロゴはミステリアスかつコワモテだ。

 

 

○3月7日 19時 名古屋港 出港

出港を見守ろうと寒すぎる甲板で外を見つめる旅人たち。

航海の無事を願い遠ざかる船に手を振る職員たち。

船は静かに、そしてゆっくりと埠頭から離れていく。

 

www.youtube.com

 

 

しばらくは工業地帯の美しい夜景を両手に眺めながら(船がデカすぎて片側しか見れないけど)名古屋港から伊勢湾へ。

 

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40時間後に北海道にいるとか、俄かに信じがたいな...。

 

私はしばし、海上の人となった。

 

 

2022/06/19:投稿

2023/12/02:再投稿

【2021秋】四日市コンビナートの夜景

大学も後期が近づく夏休みの暮れ。高校の友人とドライブ。

夏休みとはいえすっかり気候は秋に。

モネの池(岐阜県関市)に行った後、岐阜市内で家系ラーメンを食べた。

熱を感じない涼しい夜。時刻はもう20時を回った頃だったか。

急遽四日市コンビナートへドライブすることに。

 

2021/09/28 22:03

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なるほどこれが大学生がこぞってインスタにアップする四日市コンビナートの夜景か。

そこら辺の大学生よりは日本を周ったことのある自信がある自分にとってどうしても人気スポットは本当に綺麗なのか?と表には出さずとも内心疑ってしまうところがある。

が、これは美しい...。

 

夜景を眺めがら歩ける遊歩道?が整備されている。対岸のコンビナート群の灯り以外に光がないので雰囲気はとっても良い。私は男友達と二人だが?

 

私たちが遊びの一環として眺めているこの夜景は、今この時も誰かが私たちのために働いてくれているから生まれているのだ...。


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コンビナートがある島へ渡ったが、ビル群のように聳え立つ(そびえたつ)化学施設、大型車のためだろう随所に余裕を感じる道路、そしてこれらを仕切る高い壁の存在によって異質な空気を放っていた。海に目をやれば月が昇ろうとしていた。


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半袖では夜が心配になってくる季節、もうすぐ現実を見なければならぬ時がやってくる。

夏の終わりにふさわしい、しっとりとした夜だった。

 

 

2022/09/19:投稿

2023/11/30:再投稿

"どこでもきっぷ"で関西を好き勝手旅した話 最終回

2021/12/15 15:43

本州最南端の地・串本から特急で大阪方面に1時間あまり。

降り立ったのは紀伊田辺。みんな大好きアドベンチャーワールドとかエネルギーランドがある白浜の少し北の和歌山県第2の都市だ。本当は3年ぶりの再訪ということで大好きで印象深い白浜に行きたかったが時間的な問題とさすがに1人ではなあと敢えてスルーしてきた。時刻はもう16時前、日もだいぶ傾いてきている。

 

そんな時間からどこへ向かうのか...。

 

 

 

歩いて35分、鬱蒼とした森を抜けて...。

 

 

「天神崎」

条件が揃うとウユニ塩湖のような絶景が見られると話題のスポット。

同年3月には同じく日本のウユニ塩湖こと香川の父母ヶ浜に寄っているが、こちらは父母ヶ浜ほど有名じゃないイメージ。現に私も日没あたりで良い景色見れるスポットないかな〜って調べてて見つけたし。

とにかく、こんな日も傾いた時間から紀伊田辺にやってきたのはそういうことである。

 

 

時刻は16時19分。早すぎる日の入り。私は日が出ている時間が短い(そして寒い)ので冬が嫌いだ。そんな話はさておき、これ以上何を望もうかというレベルの夕陽が水平線に沈もうとしている。ロケーション、天候、時間調整が完璧すぎた。

 

 

磯に目をやれば10人程度の人影が。

こんな綺麗な夕暮れある?っていうぐらい空間がオレンジだな。

 

...写真を撮るのに靴の水没は避けられなさそうだ。

 

 

私も磯に下り、靴を濡らすの覚悟で写真を撮る。

ギリギリ靴に染みるか染みないかぐらいのあまりにも恵まれてる好水位。(染みました)

こんなに美しい夕陽にコメントはいらないね。

 

 

思えば家を出て鳥取砂丘と砂の美術館に行き、日本海を眺めすなば珈琲でほっと一息。大阪で誤って居酒屋に入りお好み焼きをつまみにコークハイで酔っ払い、本州最南端の地を踏み絶景の夕陽。これが僅か2日間の出来事なのである。あまりにも濃すぎた。今回は初めての泊まり1人旅だったがプランニングと天候があまりにも完璧すぎたと自分で言ってしまおう。そしてたった10,000円で関西近郊の特急を乗り放題(しかも指定席6回まで使える)にしてくれたJR西日本どこでもドアきっぷ」にも感謝...。

次回の発売も楽しみにしてます発売してくださいJR西日本さん。絶対使います。

 

 

初めての泊まり1人旅ですっかり勢いづいた私は1人で北海道に旅に出ます。

 

sunshine755.hatenablog.jp

 

 

 

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磯に普段からここでよく写真を撮っているというおじちゃんがいらしたので声かけて写真撮ってもらっちった。ポーズまで指定してくださってありがとうございました。幻想的すぎる。

1人だと少し寂しさ纏ってる気がするけど、カップルとか友達と来たらまじで映えるんだろうな。1人旅のデメリットである。

 

 

日没が近づくにつれてどんどん観光客が増えてきた。次第に1人に寂しくなってきた私はバスの時間もあるしそそくさと天神崎を後にした。

さっきのおじちゃんが紀伊田辺駅まで送ってやろうかって言ってくださったが、既に紀伊田辺駅からではなく大阪寄りの南部駅からの指定券を取っていた私は泣く泣くお断りしました。ここ駅から遠すぎるんよ。

 

 

和歌山大好き、また来るぞ...。

 

 


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帰りは紀伊田辺駅までまた35分歩くのはしんどいのでちょうど良い時間にあったバスを利用。

なんでこの写真撮った?

 

・バス 明洋前17:06→南部駅17:23


www.youtube.com

誰も乗ってない。自分だけのために夕焼けの海岸線走ってる。気持ちいい。

 

 

17:26
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完全に日が落ちた。

バスはダイヤより数分早く南部駅に到着。最後まで乗客は私1人だけであった。

もうここからは愛知に向かって帰るだけ。

 

 

少し時代を感じる駅舎内にICカードリーダーがあるこのミスマッチ感。

窓口は閉鎖され、合理化が推し進められた結果なのだと見て分かる。

 

 

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ここにもパンダ。JR西日本の特急「くろしお」に対するパンダの売りがすごい。列車丸々パンダにしちゃったり、座席のカバーまでパンダにしちゃったり、乗車位置をパンダにしてしまったり...

 

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ほとんど見る人おらんやろっていう津波避難の方法の紙にもしっかりパンダが登場するこの念入りさ。芸が細かすぎる。(緊急時なのはわかってるけど、避難してるパンダ可愛すぎる)

 

 

・特急くろしお32号 南部17:38→新大阪19:50

新大阪の僅かな乗り換え時間で今朝見つけたマックを食らいました。

 

・特急びわこエクスプレス2号 新大阪20:41→草津21:29

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途中から自分以外誰も乗っとらん。夜の車窓を独り占め。

 

米原まで帰ってくるともはや実家のような安心感。名残惜しさは途端に消え、早く家に着かないかなという気持ちになってくる。

 

確かに友達と行く旅行も良い。感情を共有できる相手がいる。喋り相手もいる。しかし、1人旅も良い。自分の思うがままに動くことができる。自分と向き合うことができる。感動をじっくり味わい、自分の中に消化できる。そして、ふと寂しさを感じ...友達の大切さに気づく。

1人旅の魅力を存分に理解した。

 

 

 

2022/08/19:投稿

2023/11/28:再投稿

"どこでもきっぷ"で関西を好き勝手旅した話 Part3

2021/12/15 07:16

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人生初カプセルホテルで無事に定刻通り起床し、眠い目をこすりながら新大阪駅へ徒歩15分。少し構造を覚えてきた大きな駅構内で和歌山方面行き特急「くろしお」の表示を探す。遠い行先を見つけると心が色めき立つ。

昨日は日本海へ。今日は太平洋へ。

 

 

改札を抜けてホームへ。派手なパンダ顔の電車が停まっている。道ゆく人は珍しい電車を画面に収める。

運転席直下にある子どもパンダが可愛すぎるし、テールライトをつけたパンダはまるで怒っているかのよう。朝早くから運動させてごめんね。

 

側面にまわると先程の可愛いイラストとは違って実写パンダが...いや、実写パンダも可愛いんだけどね?

この特徴的なパンダトレインは2020年から運行されている「パンダくろしお サステナブルSmileトレイン」という電車で、沿線にある人気テーマパーク「アドベンチャーワールド」とのタイアップで実現したものだという。6両全てに異なるイラストが施され、細部まで凝った仕様になっている。

アドベンチャーワールドといえば何よりもパンダ。パンダ大好きな私は今回1人でアドベンチャーワールドに突撃してやろうかと思ったものの、却下。ちなみに過去2015年と2018年に行ったことがある。

 

平日早朝、リゾート地に向かうとは思えないスーツ姿のビジネス客を僅かに乗せた特急くろしお号は和歌山に向けて新大阪駅を出発した。

 

・特急くろしお1号 新大阪7:33→串本11:06

眩しい朝日を浴びて朝ラッシュの街を静かに通り抜ける。人で溢れる駅をリクライニングする快適な指定席に座って眺めるのは心地が良い...。

 

後ろを振り返ればまたここにもいっぱいのパンダ...。抜かりない。

というか本当に可愛い。

 

雲ひとつない冬晴れの車窓を眺めながら串本駅まで遥々3時間半。

時刻は既に11時をまわり、陽もだいぶ高くなってきた。

本州最南端の駅、串本駅に下車して早速鳶の一声。海辺にやってきたんだなと実感。

さっきまで大都会に居たのに気づけば潮が香る爽やかな海辺。旅行大好き。

 

 

2021/12/15 11:23

串本駅から国道沿いに歩くこと15分ほど。

浜辺に出てきた私は海上に並ぶ岩々を目撃。

直線状に岩が立ち並ぶ姿が橋の杭のように見えることから橋杭岩と呼ばれている。

 

これが、橋杭岩...

 

先ほど"本州最南端の駅"と書いたが、ここ串本町は本州で最南端の自治体。つまるとこ何でも本州最南端になりうる。ここ道の駅も本州最南端。(ちなみに道の駅よりもJRの串本駅の方が南にある)

 

 

道の駅の名が示す通り、駅の前はもう岩だらけ。

 

...確かに妙な光景ではある。

 

ここで2人揃った写真を撮って欲しそうな老夫婦に声をかけ、写真を撮ってあげる代わりに私も写真を撮ってもらった。一人旅には貴重な他撮り。

 

 

穏やかな水辺でスズメが何かを貪っている長閑な光景。柔らかな日差しが私を包み、12月なのにも関わらず暖かい。

 

 

次のバスまで時間があるのでしばらくカメラを弄る。

アーバスがやってきて多くのおじいちゃんおばあちゃん達が降りては写真を撮り、すぐに戻っていく。

私は1人、無言でシャッターを切る。しかもこの男、カメラの扱いが上手くないと来た。

長閑な時が過ぎる。

凄く長居をした気分だったが、まだ串本駅に着いてから50分しか経っていないらしい。

 

 

11時57分、送迎車やんっていうサイズのコミュニティバスに乗車し橋杭岩を後に。

・バス 橋杭岩11:57→串本駅12:00/12:02→潮岬観光タワー12:19

本当は安全上好ましくないことだが運行中、運転手さんと乗客であるおばあちゃんが喋ってたのが印象深い。地域に密着した公共交通機関だなぁ。

 

本州最南端の自治体ならば当然本州最南端の地もある。

潮岬へやってきた。紀伊半島の1番先端、台風中継でやたら言われる場所だ。

やはり串本に来たらここへは行かなければならぬだろう。

 

 

もうこの短時間で見すぎて見飽きてきた、"本州最南端"はここにもある。

 

 

ここにも。しかしこの看板の指し示す先が"本州最南端"なのはロマンある。バックがきらめく青い海なのと合わせて。

 

 

ここが、本州最南端。

 

ここが、本州最南端。

今、1億人もいる全本州民の中で1番南にいるよ。

ちなみに本州最北端は青森県大間町の大間崎、最東端は岩手県宮古市の魹ヶ崎(とどがさき)、最西端は山口県下関市毘沙ノ鼻(びしゃのはな)である。全部行ったことない。

 

 

雲一つない、あまりにも蒼すぎる空だ。人影一つない、あまりにもがらんどうとした最南端だ。

こんな12月も15日とかいうよくわからん中日(この日は水曜日だった)に来るからだよ...。

こんなにも晴れて暖かいからいいものの、曇りで風が強いとかだったら心細かったぞ。

 

写真に写るタワーが先ほどバス停の名前で出てきた潮岬観光タワーで、1960年の竣工という老舗。なるほど昭和を感じる。

 

 

とりあえず観光タワーに登ろうか。

 

事務所で入場券を購入する。相変わらず誰もいない。そして昭和どころか明治村の展示物のような雰囲気を感じる。右のパネルはどうしてそんな異様な風体を晒している。

 

古びたエレベータで1人、上へ。

 

 

視界一杯に飛び込んでくる青。そしてここにも誰もいない。

扉を開けて展望台に出る瞬間、ちょっとワクワクする。

(扉の背が低すぎて頭ぶつけて痛かったのを覚えてる。なんでここだけ一段背が低くなってるのか?)

 

 

先ほどから似たような風景ばかり続いて、この記事の読者さんは食傷気味かもしれないが当の私はどこまでも突き抜けるような海と空の開放感、人っ子1人いない開放感に心躍っていた。

180度以上に広がる、どこまでも続く水平線を眺めると、地球は丸いというのを少し実感できる気がした。

 

 

ここ潮岬を含め、紀伊半島の南部は熊野古道(→2020年秋に来訪済み)をはじめとした自然や歴史の魅力に満ち溢れた土地であるが、あまりの地形の険しさから交通の発達が遅れ、紀伊半島を一周する紀勢本線が全通したのは1959年と昭和も半ばになってからだそうだ。紀勢本線が全通すると東京や名古屋からの便が良くなり、紀伊半島に観光ブームが到来。この潮岬観光タワー(1960年竣工)もそのブームに乗じて建設されたものだという。 

 

熊野古道を訪れた記録

sunshine755.hatenablog.jp

 

しかし近年のレジャーの多様化から旅行客は減少の一途を辿り、今では寂れに寂れ、団体予約食堂や展示室、応接室、舞台など多くの設備を整えた潮岬観光タワーは展望台と売店・食堂のみの営業にスケールを縮小している。

 

 

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その食堂にて近大マグロ丼を食べる。ここも相変わらずだだっ広い空間に数人しかいない。

近大マグロとは近畿大学が養殖施設で人工孵化させた完全養殖マグロであり、30年余りの研究期間を経て、2002年に完全養殖に成功している。

お箸の袋に刻まれた文字の字体に時代を感じる。

 

この定食、1600円と少し割高な気がするのだがこれは近大マグロの付加価値によるものなのか...?近大マグロの相場を知らないので何も言えないが、味は普通のマグロと同じで美味しい。

 

売店で家族へのお土産を購入し、バス停へ。

 

潮岬の滞在時間、僅か75分。駆け足で観光したがそれでも十分に楽しめたと思う。

 

・バス 潮岬観光タワー13:34→串本駅13:51

 

再び串本駅に帰ってきたが、次に乗車する特急まで少し時間があるので駅周りを散策。

これは国道沿いに見つけた24時間営業・年中無休というスーパー。失礼ながら、人口僅か14,000人余り(2022年8月1日現在)の町で採算は取れるのだろうか?ちょっと気になる。

(→お店のHPを見たら現在(2022年8月17日)の営業時間は9時から23時までの様子。いやそれでも長いけどね。)

 

てか向かいにファミマあるやん。

 

 

本州最南端温泉の町

トルコ友好の町

 

少し欲張りすぎていないだろうか...??

いや確かに、トルコ友好の町は本当なんだけどさ...。写真中央少し右にもどこかの温泉の送迎車らしき車が停まってるし...。

(→エルトゥールル号遭難事件:1890年にオスマン帝国(現:トルコ)の軍艦エルトゥールル号串本町沖で遭難し、沈没。串本町民が総出で救助と生存者の介抱にあたったことからオスマン帝国の人々は遠い異国の地である日本に対して好意を抱いたと言われている。)

現在でも串本町はトルコの2都市と姉妹都市として提携している。

 

 

時間があれば串本海中公園紀伊大島にも行ってみたかったがどうもこのギュンギュンのスケジュールの詰め具合じゃ難しかった。

滞在時間僅か3時間ちょっと。本州最南端の駅を出発。

 

・特急くろしお26号 串本14:20→紀伊田辺15:37

また出会ったな。お前。

アドベンチャーワールド行きたいよアドベンチャーワールド。パンダに会いたい。

 

 

 

2022/08/17:投稿

2023/11/26:再投稿

"どこでもきっぷ"で関西を好き勝手旅した話 Part2

2021/12/14 13:29

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正面に見える丘は"馬の背"っていうらしい

ひたすら広がる砂と空。あまりのスケールの大きさに人間の無力さを感じる。モンゴルの砂漠を想起させる。行ったことないけど。

12月のど平日とあって観光客の姿はまばらだ。狙い通り。

 

 

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"馬の背"の巨大さがわかる

ファインダーを覗いてズームする。高低差もさることながら、傾斜がヤバい。修学旅行生が砂山を爆速で駆け下りていくのを眺める。先生と思わしき人々が下から不安そうに見上げている。こけずに降りれると歓声が上がる。これで君もクラスの人気者だ。

 

1人旅の私も馬の背を登ろうと試みる。同行者がいない旅ではおふざけを入れる必要がない。ふざけた先にあるのは風の音と虚無だけ。1人で真面目に砂山の途中でここなら登れそう...ここは厳しそう...と試行錯誤しているのはなかなかに怪しいだろう。無邪気に砂で遊んでる家族連れに指差されないように...。

 

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馬の背から見る日本海

大衆が想像する"日本海"まんまだ。吹き荒れる風に身を任されそうになりながら白いうねりを伴う青い海を眺める。山"陰"、山"陽"という文字で表される通り、どうしても瀬戸内(太平洋)には明るいイメージ、日本海には暗いイメージを持ってしまう。日本海側にお住まいの方には不本意なことだと思われるが、ここで眺めた日本海は太平洋のリゾートでありがちな華やかさは全くなく、海の本質を見ているような、海の怖さを感じられるような、"山陰"の由来を感じられるような荘厳な雰囲気を醸し出していた。故に、複数人でワイワイと眺めるよりも、私のような静かな一人旅に向いていると思った。

 

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果てしなく続く砂の丘

さて、キャプションに「果てしなく」と書いたが鳥取砂丘は東西16km、南北2.4kmほどと数字に起こしてみるとさほど大きいものではない。それでも観光可能な砂丘としては日本最大なのだが。このような砂と空以外何も写らない光景を見ると無限に続いてるんじゃないかっていう気がするね。そろそろ歩き疲れた。

 

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人気の少ない方へ歩いていくと風が砂を並び替えた跡が見られる。海底みたい。

 

疲れたのでそろそろ砂丘を出ることにしよう。ちなみに砂丘東口バス停側から砂丘に入り、馬の背までを往復すると砂丘ゆえの歩きにくさは当然、足元の悪い馬の背の傾斜のキツさ、あと物理的な距離も相まって足へのダメージは大きい。

 

 

2021/12/14 14:23

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裏口?入ってすぐ早速高度な技術を見せつけられる

砂地獄から脱出し、先ほどの砂丘センター見晴らしの丘で軽くお土産を買った後は次の目的地「砂の美術館」へ。ちょうどこの時は"チェコ・スロバキア編"が開催されていた。

鳥取砂丘 砂の美術館 - 世界初、「砂」を素材にした彫刻作品を展示する美術館

さっき見た子たちと同じだろうか、修学旅行生に紛れながら館内へ。っと館内に入る前になんかすごい彫刻を見せつけられる。残念ながら私には教養というものがないので精巧な彫刻を眺めても高度な技術を褒め、感嘆することしかできない。以下、私の拙い感想と共に作品をご覧あれ。

 

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館内中央で

とりあえずあまりのスケールの大きさにぶっ飛んだ。1枚上の写真のような作品がいくつも置いてあるのかと思ったらまさかの全体が砂で作られ、1つの大きな作品を作り上げているよう(に見える)。

 

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大きく眺めても規模感に圧倒されるのだが、驚きなのは細部を見ても恐ろしいほど作り込まれていることだ。本当に全てが砂で作られている。これは教養がなくても見入ってしまうほど魅力的だ。

 

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瞳の黒も彫りを深くすることで再現されている。1色の砂だけで造られた世界のはずなのに、どことなく彩りを感じてしまうのは流石に褒めすぎだろうか?

 

 

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表口。こっちから入ってくるべきだったか。

一通り感動しまくって館外へ。裏口から入ったせいで展示を全て見終えてからチェコスロバキア編の看板を見ることに。

 

鳥取で1番有名な観光地であろう、鳥取砂丘を滞在時間3時間で後に。

砂丘東口バス停から西町バス停まで乗車。

もっとゆっくりしていきたいが冬の日暮れは早い。あと1時間ちょっとすると暗くなってしまうのだから次なる目的地へ。

 

 

2021/12/14 15:21

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鳥取城址

鳥取市内で公共交通機関を使って行けそうな観光地は少ないようだ。ということで半ば消去法で選ばれた鳥取城址にやってきた。ネガティブなことを言えど私は城址には興味があるので普通に良い観光スポット。ただ誤算だったのが城址に行くにはこの山を登らねばならないこと。下調べが甘く、行きのバスで眺めるまで全く気づかなかった...。バス乗ってて察したよね。これ間違えたやんって。

この時間から見知らぬ土地で263mの登山をするのは危ない。あと後ろにも行きたい場所が残ってる。止むを得ず手前に見える石垣のとこまでだけは登ってみることに。

するとどうやら鳥取城址には日本唯一の円球型の石垣(天球丸)があるとのこと。下調べが甘いとこういったサプライズがあるからいいよね(下調べはちゃんとしましょう)。

 

 

足元の悪い石段を足首を挫きながら駆け上がる。何故か時間がない。

 

15:32

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夕暮れ迫る鳥取市街の眺め

石垣の上から鳥取西高や鳥取県庁の方角を望む。夕暮れ迫るということで赤みを増して撮影した。逆光がとんでもなくきつい。これが18万7千人が住む(2022年2月)鳥取県の県庁所在地の眺めか。さすが城址というだけあって眺めは抜群だ。

 

鳥取城は16世紀半ばに築城。戦国時代から江戸時代末期まで改修を受けながら存在し、そのため時代の流れによる城郭の変化を知ることができる。1871年に廃城。

 

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鳥取城址 天球丸

こちらが国内唯一の球面の石垣「巻石垣」だ。天球丸の石垣崩落を防止するために江戸時代後期に築き足されたものだという。残念ながら復元ではあるがこのような角を持たない石垣は見たことがなく、どうしても景色に馴染まない異質なものとして捉えてしまう。

 

滞在時間僅か30分ほど、再び西町バス停に戻り鳥取駅へ。

 

 

最後の目的地は...

 

2021/12/14 16:12

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行きたかった

そう、すなば珈琲

最近まで鳥取県は日本で唯一スタバが出店していない県として知られていたが、だからと言って鳥取県民はカフェに行かないのではなく、鳥取独自のチェーン"すなば珈琲"があったのだ。今でこそスタバが出店しライバル関係にある(と勝手に思っている)が、県外からやってくる観光客に対して未だ大きな存在感を示している。

 

実はすなば珈琲の営業時間が17時(LO16:30)⇦2021年12月当時までという事情でここまで押しに押されたスケジュールになってしまっていた。

 

ということでやってきたのは鳥取市役所店。鳥取駅から徒歩数分しかかからない好立地。隣に大きなイオンとスタバがあった。ちなみに外からだとすなば珈琲の存在を匂わせるものが何もなく、勇気を出して市役所の中に入ってみるまで場所間違えたかと思ってた。

 

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砂焼きコーヒー(¥300)とアイスクリーム(¥250)

誰もいない店内で食券を購入し店員のお姉さんに手渡す。番号を呼ばれたら取りに来るシステムらしい。合理化が進んでるね。

静かな店内で夕日に向かい、閉店までしばし1人の時間に浸る。一人旅においてこの時間がとっても良い。心を落ち着かせながら1日を振り返ってみる。ちなみに私は普段コーヒーを飲みません。なので気の利いたコメントはできませんが飲めないわけではないので美味しかったです。ほろ苦なコーヒーと甘いアイスの組み合わせが◎。

 

 

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日が沈む。今日も1日ありがとう。

窓がもう少し低かったらいいのに。ちなみに窓からの景色の左半分を占めてるのはイオン。

 

 

ゆったりとした時の流れに身を任せられるのも僅か、閉店時間が迫ってきたので店外へ。市役所内をぶらついていたら鳥取城址山陰本線スタバが一気に眺められるスポットがあった。

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鳥取市役所から見える列車と鳥取城址

鳥取城址に行こうと思ったらあの山の上まで登らにゃならんかったのか...。きっと壮観な眺めを得られただろうけど、泊まりで来る必要があるな...。

ちなみに17時で閉店したすなば珈琲に対して眼下のスタバはまだ営業しており、駐車場から察するに客足もそれなりにある様子。やっぱり全国チェーンは流行るんだなぁ。

 

 

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夜の帳が下りる頃...

すっかり日も落ちた鳥取駅に帰ってきた。こうして駅を見てみると新幹線の停まる駅みたいだ。ちなみにご存知の通り鳥取どころか山陰に新幹線は通っていない。構想はあるみたいだが。⇨山陰新幹線 - Wikipedia

あとは18時40分の特急の出発まで目的地は何もない。先ほどの市役所の隣にあったイオンに行ったり駅下の商店でお土産を買ったり周辺の商店街をブラブラしたり。探せば日が暮れてからも行けるようなスポットが駅近にあったのかもしれないが既出の通り下調べの甘い私はここに来て時間を持て余すことに。

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人が居なさすぎる商店街

ここは鳥取駅から大通りを1本渡ったところにある商店街。火曜日とはいえまだ18時なのだがあり得ないほど人が居ない。というか無人だよね。これが地方のリアルなのだろうか。

市役所横イオン(イオン鳥取店)に行って感じたのだが、地方都市あるあるで「イオンができたせいで商店街が寂れる」というのがある。しかし鳥取の場合は商店街どころか商店街キラーのイオンでさえ寂れてしまっている。一人旅で感傷に浸るにはもってこいの風情ではあるのだが、もはや街から人が消えかかっているのではという懸念を感じずには居られない。

 

この時持て余した時間を使って大阪ではなく鳥取で夜ご飯を食べてしまおうかという気になったが思いついた時点で惜しくも時間が足りず敗退。

 

 

鳥取市、僅か6時間半の滞在時間だったが大満足。久しぶりに日本海というものも見れたし、静かな街故に1人の時間にたっぷり浸ることができた。また山陰へ旅したい。

いよいよ改札へ。

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県庁所在地なのに未だ駅員さんによる手動改札

愛知県民、さすがに驚いた。

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さらば鳥取

鳥取18:40⇨新大阪21:12(特急スーパーはくと14号)

 

車窓は真っ暗で何も見えない。少ない乗客の車内で鳥取の思い出に浸りながらうとうとしていたら大阪まで帰ってきていた。

 

 

2021/12/14 21:20

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場所は打って変わって新大阪駅。帰りの特急で雑に調べた中で良さそうなお好み焼き店へ。

時刻は21時を過ぎている。明日も朝が早いのでささっと大阪名物を食べて宿へ向かいたいところ。

 


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おひとり様、新大阪でコークハイを飲みながらお好み焼きを食らう、の巻。めちゃくちゃ美味しかったし、朝5時から重い荷物を背負って活動しており疲労は相当なもの、コークハイ1杯でしっかり酔えた。

 

 

2021/12/14 22:08
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大きな荷物を背負った酔っ払いは新大阪駅から地下鉄御堂筋線沿いに北へ徒歩15分。東三国駅近くのカプセルホテル【公式】新大阪のカプセルホテルJ-garden(ジェイガーデン)へ。とにかく宿代を安く済ませたかった私はbooking.comで低価格かつ評価の良さそうだったこちらをセレクトさせていただいた。お値段何と2500円。人生初のカプセルホテル。泊まってみたかったんだよねえ。

 

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カプセルの並ぶ通路。大部屋の中にカプセルがいくつも並んでいるがその大部屋は男女別になっており女性旅行客にも安心な造り。シャワーもラウンジも洗面所、ドライヤーも、ナイトウェアもあり寝るだけなら値段も相まって私は十分だと感じた。

 


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こちらがカプセルの中身。布団と枕、時計、コンセント、照明スイッチなど、必要最低限の設備しかないが全くもって十分だ。カプセルホテルなので鍵はないがロールカーテンを下ろすことができ、プライバシーも少しは配慮されている。貴重品はロッカールームがあるのでそちらに入れておこう。

 

人生初のカプセルホテル、当たりを引いたのかもしれないが良宿泊先だった。昔事情により止むを得ず深夜2時に会員登録をして泊まった某チェーンネカフェの鍵付き個室とは雲泥の差だ。(そもそもネカフェはホテルではない。)

 

 

酔いが回り続ける最中、日付は変わり12月15日0時過ぎ、四角い箱のなかで眠りについた。

 

 

2022/03/07:投稿

2023/11/25:再投稿